動画投稿2012/04/14

外に出かける時、スティール・カメラよりもビデオカメラを持っていくことが最近増えた。

ビデオカメラの利点として、ベストアングルやシャッターチャンスを逃がすリスクを回避できること、もし何らかのジャーナリスティックな状況に遭遇した場合、やはり動画の方が表現として優れていることは明らかだと思う。(3・11の時、揺れる室内や建物から外に避難して怯える人々を撮影したことくらいしか今のところないけれども。)

今の民生用ビデオカメラは非常にコンパクトに作られていて、一眼レフカメラと複数レンズを持ち歩くよりも嵩ばらず非常に便利だ。あまりに軽すぎて三脚を使わないとブレてしまうのでもう少し重くてもいいのではとすら思ったりもする。デジタルカメラでも動画を撮る機能はついているが、残念ながらバッテリーがもたないので本格的に映像を撮ろうとすると、やはりビデオカメラを選択してしまう。

しかし何よりも、その映像をYoutubeにアップするため、というのが最大の魂胆なのだが。

去年から、撮り溜めした映像を、日頃お世話になっているYoutubeに、廃盤になって入手しにくい音源とか、私が日頃もっと多くの人に聴いてもらいたいと考える音楽のバックグラウンドに使用して、いくつかの動画をアップした。

いくつか紹介してみます。

昨年冬、岩手から青森、秋田にかけて旅をした。弘前に宿泊したとき、弘前駅で列車の発車メロディが津軽三味線のじょんがら節で、それを聴いたとき胸がジンとした。自分の今いる空間が、その瞬間「津軽」になったと感じた。五能線の車窓から眺めた冬の日本海にのせる音楽は、やはり津軽三味線を措いて他には考えられない。 高橋竹山の三味線はもちろん、野坂惠子さんの二十絃箏の演奏もとてもすぐれたもので、一般に出回っていないのを残念に思っていた演奏だ。









ブラッサイの写真が昔から好きだった。ブラッサイは1930年代、夜のパリを写真集として出版し有名になった。都市の夜が醸し出す独特の空気感のなかにうごめく人々や風景は圧倒的だ。その影響もあって、夜中歩きまわって、夜を感じさせるようなオブジェクトを撮るようになった。ある雨の夜、ふと思いついてビデオカメラをもって近所を撮影した。そのビデオを使って、大好きな渋谷毅さんのSoldier in the Rainのバックグラウンド映像に使用してみた。









お墓歩きは私の趣味で、旅行するたびに個性的なお墓を見つけようとして歩き回るので、妻を呆れさせてしまう。この映像は、実はスティール写真を利用したものなのだが、編集ソフトでズームしたり、上下左右にパンしたりすると、動画のような効果が得られる。音楽はツトム・ヤマシタさんのサヌカイトを使った演奏で、耳と魂にズドーンと響いてくる。









もうひとつ、横浜外人墓地。スタンリー・キューブリックが映画『バリーリンドン』で使用して有名になったヘンデルのサラバンド。荘村清志さんのギター独奏。この演奏はCD化されてないようだ。数ある演奏のなかで、比類ない名演とひそかに思っているのだが。









音楽にとって、映像は必ずしも必要だとは思っていない。かつてMTVなどで映像を前提としたポップスが流行した時期があったが、音楽にとってあまり良いことだとは思わなかった。ライブ映像は別として、音楽とは無関係な要素が強調されすぎてしまう気がしていたからだ。しかし、私のような素人映像マニアには、音楽はなくてはならぬ不可欠のパートナーだ。音楽が映像構成のインスピレーションを与える原動力になっている。音楽のない映像は気の抜けた退屈なものになってしまうだろう。もちろん映像本来の迫力があればそんなこともないのかもしれないが・・・・・



私のYoutubeのチャネルサイトのリンクを貼っておきます。

jeunoirの動画チャネル