千駄木・谷中散歩2010/02/15

 ぐずついた天気が続いて、やっと晴れたので、千駄木の古本市を覗くついでに、千駄木、谷中あたりをブラついてみようという魂胆もあって、出かける。

 古本市が開かれていたお寺に咲いていた梅の花。




 谷中方面に向かう途中にある、須藤公園。滝があるのには驚く。もともとは湧水だったらしいが、今はポンプで循環させるというなかなか凝った仕掛で流しているらしい。
街なかの公園というのは、赤ん坊連れの母親たちのたまり場だったり、妙に仰々しかったりするのが多いが、ここはどことなく歴史的な風情もあって、落ち着けるいい公園だ。ゆっくり考え事でもしながら、時を過ごすのにいいかも。






 不忍通りを越えて谷中に入ると、「猫町」という行先表示を見つける。谷中は、昔一度歩いたことがあるきりで、その時、いつのまにか墓地のなかを歩いていることに気づいた不思議な思いをした記憶が残っている。谷中にはたくさんのお寺があるので、そんなこともあるのかと思ったものだ。私はお墓が大好きなので、強烈な印象を私に残している町のひとつなのだ。そういえば、「猫町」というのは萩原朔太郎の、人が旅に求める幻想性を主題にした、ごく短い短編のような、散文詩のような作品だったっけなどと思案しながら、行ってみると、「猫町」というのは猫の様々なオブジェのギャラリーだった。(近辺を歩いてみると、猫の雑貨のお店が多いことに気づく。猫の多い地域なのだと何かのテレビ番組で紹介されていたことを思い出した。)

 ちょっと高台になっているギャラリーの入口の階段にある猫のオブジェ。




 個性的な店構えの店がたくさんあって、写真を撮るのが楽しくなってくる。キリがなくなるのでこのへんでやめるが、草鞋(わらじ)を売っている履物屋さんが私には珍しかった(あと今では珍しくなった洗張りのお店などなど)。草鞋は今でも沢登りする人が使ったりするけれども、この草鞋はお坊さんが行脚のとき使う(靴を履いた雲水というのを見かけた記憶がない)のかな、などと考えながらシャッターを押す。


 昔通ったお墓にはとうとう辿りつけなかった。